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下水・排水用膜について
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Q1. MBRに用いられる中空糸膜とは?
- A1. ろ過機能を持つ中空繊維のこと。膜といっても、形状はストローのようなものです。このストロー状の繊維の壁面に超微細孔があり、これで精密ろ過を行います。
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Q2. 中空糸膜の素材は?
- A2.当社の中空糸膜の素材はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)とPE(ポリエチレン)です。PVDFは高透水性で、耐薬品性と物理的強度に優れています。長期間使用できますが、廃棄する場合は、法令や条例に従って、産業廃棄物として処分してください。
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Q3. 中空糸膜では何がろ過できる?
- A3.当社の中空糸膜製品は、その表面に0.4μm(公称孔径)の無数の孔が開いております。この微細な孔でろ過するため、この孔よりも大きな懸濁性物質、微生物(大腸菌や原虫など)を除去できます。孔径はこの他に、0.1μm、0.05μmの製品もあります。
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Q4. 中空糸膜で色は取れるか?
- A4.基本的には、色度成分の除去迄は難しいです。色度には懸濁性色度成分と溶解性色度成分があり、粒径の大きな懸濁性の色度成分は除去できますが、溶解性色度成分は除去できません。
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Q5. 中空糸膜の微細孔の大きさは?
- A5.当社は0.03μmから0.4μmまで数種類の中空糸膜があります。
膜分離活性汚泥法には、0.05μmから0.4μmの品種を使用します。
0.4μmの微細孔は、活性汚泥を通さないことはもちろんですが、大腸菌も通しません。更に、除去性能を高めた0.05μmの品種は飲料水を作る膜浄水にも利用されています。
- A5.当社は0.03μmから0.4μmまで数種類の中空糸膜があります。
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Q6. MBRにMF/UF膜が使われる主な理由を教えてほしい。
- A6.MFより大きな孔径でろ過する方法(例えば不織布でろ過するダイナミックろ過)も提案されていますが、SSリークが不可避なことから採用は限定的です。一方、UFよりも孔径の小さい膜を使用すると、吸引圧が高くなる傾向にあり、動力費が比較的高くなる傾向にあります。NF、ROでは直接ろ過すると、すぐに閉塞して使用できません。微生物のフロック径は殆ど1μ以上であるため、MF/UFで十分分離できます。大腸菌類についてもほぼ100%除去することができます。
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Q6. MBRにMF/UF膜が使われる主な理由を教えてほしい。
- A6.MFより大きな孔径でろ過する方法(例えば不織布でろ過するダイナミックろ過)も提案されていますが、SSリークが不可避なことから採用は限定的です。一方、UFよりも孔径の小さい膜を使用すると、吸引圧が高くなる傾向にあり、動力費が比較的高くなる傾向にあります。NF、ROでは直接ろ過すると、すぐに閉塞して使用できません。微生物のフロック径は殆ど1μ以上であるため、MF/UFで十分分離できます。大腸菌類についてもほぼ100%除去することができます。
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Q7. 中空糸膜は、平膜等他の膜と比べてどう違う?
- A7.中空糸膜は、平膜等と比較して単位容積辺りの膜面積を高くする事ができ、設置に必要なスペースが小さくて済みます。
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Q8. MBR処理することによって、除去できる成分は、何か?
- A8.MBR処理は、通常の活性汚泥法と同じ生物処理を基本としています。有機物分解に関与する微生物を膜で分離ろ過しています。但し、高MLSS濃度で処理することにより生物処理性が向上し、かつSSの流出はないためそれに起因するBOD、COD、SS等が通常の活性汚泥法よりも小さく、良好な処理水質が得られます。排水の種類と処理方法(水槽の容量、MLSS濃度他)によって除去率は異なりますが、生活排水の場合、概ねBODは5mg/L以下、COD(Mn)は10mg/L以下、SSは1mg/L以下です。
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Q9. MBRの長所と短所は?
- A9.長所は、膜を用いるMBR処理は、設置面積が小さく省スペースで、透明感のある良好な処理水質が得られ、毎日の維持管理も容易です。通常の活性汚泥法+沈殿槽だと微細SSがキャリーオーバーします。それに比べてMBRは、処理水の透明度、SS等の水質は良好です。沈殿槽も不要になります。そのためバルキング等の固液分離障害がありません。他に高MLSS濃度のため滞留時間が短縮できるため、水槽容量が小さくなります。短所は、ろ過膜の薬品洗浄や定期的な膜交換が必要になります。また、膜の洗浄用に空気の供給が必要です。また夾雑物を除去するためのスクリーンなどの前処理が必要です。
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Q10. MBRに適応できる排水は?
- A10.中空糸膜は、排水処理工程での沈殿槽の替わりに、膜モジュールをばっ気槽に浸漬して用いるMBR(Membrane Bioreactor)として適用されています。基本的に、生物処理が可能な排水であれば、MBRを適応することができます。
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Q11. MBRの適用用途はどういったものがあるか?
- A11.膜分離法は、生活排水に限られることなく様々な産業排水処理に使用されています。食品加工や化学工場などの排水処理、再生利用や、排水中からの有価物の濃縮・回収など膜分離技術の適用範囲はどんどん拡大しつつあります。膜処理水は、これらの項目をほとんど満足しているため、中水としても十分に使用できます。
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Q12. 排水再利用でMBRを採用している設備の例がありますか?
- A12.中国密雲県処理場(45,000m3/日):処理水を水源に戻し再利用
韓国天安市処理場(30,000m3/日):処理水を灌漑などに利用
ビルの排水再利用として中水道で多数利用されています。
ROとの組合せ:工程水、ボイラー水などに利用(多数)
ROとの組合せの例として、中国寧波三菱化学でのMBR+ROでの工程水への再利用があります。
- A12.中国密雲県処理場(45,000m3/日):処理水を水源に戻し再利用
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Q13. MBRにおいて中空糸膜の平膜に比べたメリットは?
- A13.膜分離活性汚泥法に使用される膜には、大別して中空糸膜と平膜があります。当社では、集積度が高い中空糸膜を採用しています。 一般にシート状の平膜は強度が無いので、ろ過に使用する場合は、圧力で変形しないようにメッシュなどのサポート部材で裏打ちをします。 これに対して、中空糸膜は円筒形であるため、形状保持力が強いので圧力によって変形しないのでサポート部材が不要です。その分だけ、ろ過面積を増やすことが出来、結果的に、同一容積でのろ過膜面積が大きい、すなわち、集積度の高い膜モジュールが出来ます。 一般的に、海外の大型の処理場では中空糸膜を用いて設計されています。
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Q14. 三次処理装置として使用できるか?
- A14.当社中空糸膜を用いたろ過装置は、膜分離活性汚泥法にも、三次処理にも適用可能です。三次処理での適用条件については、処理条件等によりますので、適宜問い合わせ下さい。
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Q15. 膜間差圧とは?
- A15.膜ろ過運転の際に発生する膜の1次側(被処理液側)と2次側(ろ液側)間の圧力差のことです。この膜間差圧はろ過抵抗、膜透過フラックスと粘性係数に比例した値になります。
実際のろ過運転では、膜の目詰まり挙動を把握したり、排水の性状悪化によるろ過性の低下、エアーバブリングによる洗浄性の低下等、早期にトラブルを把握するためにも、この膜間差圧にてしっかりと運転管理することが重要です。
- A15.膜ろ過運転の際に発生する膜の1次側(被処理液側)と2次側(ろ液側)間の圧力差のことです。この膜間差圧はろ過抵抗、膜透過フラックスと粘性係数に比例した値になります。
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Q16. フラックスとは?
- A16.単位時間に単位面積の膜を透過する水の量のことです。透過流束とも言います。
単位面積の膜(1m2)あたりの1日の膜透過水量(m3)で表した場合は、単位はm3/m2/dayまたはm/dayで表します。また、単位面積の膜(1m2)あたりの1時間の膜透過水量(L)で表した場合は、単位はL/m2/h(LMH)で表します。
- A16.単位時間に単位面積の膜を透過する水の量のことです。透過流束とも言います。
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Q17. 病原性微生物について
- A17.水の中に生息する微生物には、細菌、真菌、原虫、ウイルスなどがあります。下水処理水は、塩素で殺菌されるのでウイルスや細菌、真菌は浄水工程で死滅しますが、原虫は耐塩素性が強いので、膜ろ過処理などできちんと除去することが重要です。病原性微生物が原因で話題になった事例をご紹介します。 1、細菌:病原性大腸菌O-157「しらさぎ幼稚園」事件1990年10月、浦和市の「しらさぎ幼稚園」で腹痛や下痢、発熱を訴え、園児2人が死亡。埼玉県衛生部の調査で、飲料用井戸水からO-157の病原性大腸菌が検出されました。トイレタンクを調べたところ亀裂がみつかり、漏れた汚水が井戸水に混入したことが原因でした。 2、原虫:クリプトスポリジウム 「越生町集団下痢」事件 1996年6月、埼玉県越生町で町の人口の7割に相当する9,000人以上の患者が、発熱や下痢を訴え、患者の便や取水河川からクリプトスポリジウムが検出されました。この原虫はオーシストという殻で休眠するため塩素で滅菌することが困難になる。
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浄水用膜について
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Q1. モジュール単体での販売は可能ですか?
- A1.当社製品のモジュール単体販売は可能です。問い合わせください。
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Q2. 加圧型と浸漬型の使い分けを教えて下さい。
- A2.一般に原水が比較的清澄な場合は加圧型、原水濁度が高い場合や原水の濁度変動が大きい場合は浸漬型を推奨します。
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Q3. 認定は取得していますか?
- A3.当社製品は膜分離技術振興協会の水道用膜モジュール認定を習得しています。海外認定については別途問い合わせください。
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脱気・給気用膜について
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Q1. 脱気膜ってなんですか?
- A1.脱気膜とは気体は通すが液体は通さない膜のことです。
詳細はこちらを参照してください。
- A1.脱気膜とは気体は通すが液体は通さない膜のことです。
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