1.中空糸膜を用いた水処理技術 膜分離活性汚泥法
膜分離活性汚泥法(Membrane Bioreactor, MBR)は、活性汚泥法の一種で、最終沈殿槽の代わりに膜によって固液分離を行う生活排水や産業排水の新しい処理技術です。
MBRは従来の活性汚泥法に比べ省スペースかつ良質な処理水が得られます。MBR処理水は、再利用水またはその原水に適しており、MBRは限りある水資源、大切な水環境を守る新しい水活用技術として世界的に注目を集めています。
MBRの特徴
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省スペース
分離膜で固液分離をするため、沈殿槽が不要です。高濃度活性汚泥処理が可能となり、曝気槽容量を小さくできます。 -
良質な処理水
膜の孔が細菌よりも小さいため、 孔径以上の細菌・微生物が除去でき、SS、大腸菌などを含まない良質な処理水が得られます。このため、そのまま雑用水として再利用することができるほか、逆浸透(Reverse Osmosis , RO)膜との組み合わせで飲料水レベルの淡水を得ることができます。 -
容易な維持管理
MBRは膜の圧力管理や定期的な薬品洗浄が必要ですが、沈殿槽の管理が不要なため、従来の活性汚泥法に比べ維持管理が容易です。
2.無機・金属排水の膜処理例
膜を利用した無機・金属排水処理は薬剤添加を減らすことができ、排水再利用や有価物の回収などに適しています。また、膜運転技術を有する三菱化学ならではの膜洗浄技術により、長期間の安定運転が可能です。
特徴
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汚泥減容
凝集剤を使用せず、アルカリ剤等で不溶化し、膜で固液分離するため、汚泥量を減らすことができます。 -
有価金属回収
膜ろ過法を用いた金属回収は凝集剤を使わないため、有価金属として排水中から高濃度で回収できます。 -
排水基準対応
高度な処理水が得られるため、厳しい排水基準値を満たすことが可能です。 -
排水再利用
金属処理とともに、処理水を再利用水として活用することもできます。
※水再利用向け高度処理等にも使用されています。
MBRや、無機・金属処理用固液分離、水再利用向け高度処理等に使用されています。